看護業界まるわかりガイド

看護師の人材不足の現状

看護師の役割と仕事内容を理解しよう

業界を悩ませる深刻な人材不足

業界を悩ませる深刻な人材不足

難しい看護師不足の問題

現在日本では深刻な看護師の人材不足に陥ってしまっており、厚生労働省などの関係省庁や病院などでは大問題となっています。そもそも労働力が不足してしまっているという状況は看護師だけには限りません。少子高齢化によって働ける人間が減少し、かつ介護などマンパワーが必要な分野の需要が伸びているので、今は社会全体が労働力不足に陥ろうとしているのです。例えば東日本大震災からの復興や東京オリンピック関連での建築によって需要が増加している建築業界などでも深刻な人材不足が生じています。
しかし看護師の人材不足の原因は、こうしたマクロ的な要因だけではありません。医療業界や看護師という職種独特の要因もあるのです。

離職率の高さ

まずここまで看護師が不足してしまっている理由の1つは看護師の離職率の高さでしょう。看護師の仕事は一昔前にはきつい、汚い、危険の3Kと言われており、働く人にとっては厳しい環境でした。入院患者を受け入れる総合病院では当然のように夜勤がありますし、患者の病状が急変すれば残業も発生します。また病院内では患者の糞尿の始末をすることもあれば吐瀉物の始末をすることもあるので衛生的な環境での仕事とも言い難いでしょう。それに、伝染病患者などの看護を担当すれば自分が罹患してしまうリスクもあるので危険がある仕事でもあるのです。
もちろん看護師の仕事は患者のために尽くす大変尊い仕事ですし、給与もその他の仕事に比べて高めなためやりがいはある仕事なのですが、上記のようなこともあるため疲れてしまって退職してしまう方も一定数いるのです。

重症者の増加

またこれは近年問題になりだしたことなのですが、病院に来る患者の質の変化も大きな要因と言えるでしょう。看護師の人材不足は日本の医療水準を下げる大きな問題なため国も真剣に対応し、患者10人あたりに対する看護師の人数は以前よりも増えているのです。しかし病院に来る患者の病状が重くなってきているため、1人あたりの看護によって生じる看護師の負担が増加してしまっています。

有資格者の復帰支援の不足

また最後の問題は看護師が結婚や出産、また家族の介護などの理由によって職場を離れた後に、再度就職したいと思った時にそれを支援するような制度や機関の不足によって、有資格者の復職が上手くいっていないことです。そのためどんどん看護師の人数が減少していってしまいます。看護の世界はどんどん新しい技術や覚えるべき知識が生み出されていますので、しばらく職場を離れるとブランクに苦しんでしまうのです。

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